最後に残る「政治」の責任
我が国の財政再建に向けた議論が活発化してきた。フローの歳入・歳出改革と併せてストックである政府資産・負債改革の議論も盛り上げってきている。遅きに失した感はあるが、民間では当たり前のB/S,P/L一体改革がようやく動き出した。政府資産は概ね700兆円あると言われているが、当たり前の話だが、イージス艦やF15戦闘機など売れないものも多い。現在、政府資産のうち112兆円分を圧縮する方向で議論が進んでいる。宿舎や庁舎等不動産の売却による収入は12兆円程度で、残りの100兆円は財投などの貸付債権の証券化によるものだ。資産をオフバランス化するときの売却損益・コストと、その資産を持ち続けている場合のメリットやコスト・リスクを勘案して決めるべきもので、この100兆円の証券化は数字が一人歩きしていて、どれだけ財政再建に寄与するかは疑わしい。今後詳細なシミュレーションが必要だろう。どうも議論が削減金額ありきになっているようで心配だ。数字合わせより商人の純粋な損得という感性、B/S,P/Lの複式簿記の感性で取り組むべきものだと私は思う。この位のことをやらなければ今後の増税に国民の理解が得られないと言うのであればそれこそ本末転倒な話だ。
そもそも、増税をしなければならない主な原因であるこの天文学的に積みあがった財政赤字の責任の所在はどこにあるのか。(そのほとんどはこの20年間にできたものだ。)その責任に応じた再生が必要だ。
国民は、今後消費税等の負担増でその責任を負うこととなる。役人は、今後の行政改革で5年間5%削減、今後10年間でGDP比半減という形で責任を負う。当然これからは天下り天国など続くはずもないし、させない。それでは、政治はどうするのか?ここの責任を明らかにしない限り、いくら政府資産を無理して圧縮したところで、多くの国民は、なんとも腑に落ちない、そんな心境だろう。私は、政治の責任は、大幅な定数削減等で果たすべきだと考える。国会議員の数を減らすのだ。衆議院議員の数を今の480から180減らして300にするとか、衆参を併せて一院制にするとか。民や官に責任を負わせる以上、政はそれなりの責任を明らかにしなければならない。累積財政赤字額の大きさ、プライマリーバランスのマイナス幅、今後の社会保障費の増大を考えれば残された時間はあとわずかだ。国家財政を破綻させないためにもこの改革に失敗は許されない。今、求められているのは改革に対する覚悟であり、政治家自らの身を削る覚悟である。明治政府の断行した廃藩置県や秩禄処分に比べれば、国会議員の数を半分にすることなど大したことではない。小さな政府はまずは政治家から実現はすべきだ。
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