その十一、実録第44回衆議院選挙東京4区

2007年1月11日 13:10 | ブログ:平将明の本音
中央の席に粕谷茂最高顧問が険しい表情で座っている。
私は部屋に入ると、深々と一礼をし手前の中央の席に座った。
粕谷最高顧問が口を開いた。
「いろいろな意見がありましたが・・・、」さっきの怒号がまだ部屋の中を漂っている。
「はい、全部聞こえてました。」私は心の中でつぶやいた。
「最終的にあなたに決定しました。地元の方々に感謝の気持ちを決して忘れないように、がんばってください。」
「はい、ありがとうございます。全力でがんばります。」起立して、再度最敬礼をした。
会場は一斉に拍手の音で埋まったが、何人かは腕を組んだまま拍手をしていない。
私は、都連の局長の促されるままに、地元の有力区議会議員という人々に神妙な表情で握手を求めてが、彼らは手を引っ込たまま、私の横を通り抜けて行った。随分後になって報道された佐藤ゆかりが岐阜市長に握手を求め拒否された映像がTVで流れたが、東京4区も、郵政造反議員はいなかったものの、同じようなことが繰り広げられようとしていた。
 会議がもめたのは、一部の区議が東京4区の前職の代議士(彼はこの年の2月に不祥事で議員辞職をしていた)を応援するために、公募による公認を見送るように強行に主張したためだった。そもそもこの公募は、彼の失職に伴う補欠選挙のためのものだった。補欠選挙では当然その原因をつくった本人が出馬をすることはできないが、補選の前に小泉首相が思いがけず解散をし総選挙となったので、彼の立候補は可能になったのだ。常識で考えれば有り得ない話だが、政治の世界ではしばしば常識が通じない。昨年末の郵政造反議員の復党もその類だ。
 「東京4区はけっこう面倒なことになってますが、平さんなら大丈夫です。がんばってください。」
都連の職員が声をかけてきた。
 43倍の公募を勝ち抜いて、ほっとする間もなく、一難去ってまた一難。
 普通そういう情報は、事前に教えてくれるものじゃないの・・・?
 政治の世界は非日常が日常、徐々に鍛えられていく自分を感じた。
 そして、職員に言われるがまま総裁室へ、そのまま小泉首相とのツーショットの写真撮影に向かった。
時計に針のスピードがグンッと加速し始めた。
                   ― つづく ―

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