パパのスーツが破けた訳

「いやぁ、今日は大変だった。」

 帰宅して、破かれたスーツを脱ぎながら言った。

 ボタンも引きちぎられたが、本会議後、議員会館で秘書に付けてもらった。

 小六の娘が心配そうに、どうしたの?と聞くので事情を説明した。

 今日の法律の採決に反対する人たちが、議長を議場に入れさせないように大騒ぎして、体を張って抵抗したから、議長を通すためにもみあいになって、服が破けたんだよ・・・と。

 娘の疑問は解けないようだ。

 「なんで議長を入れさせないの?」

 「議長を本会議場に入れさせなければ、会議を始めることができないからだよ。」

 「力づくでそういうことやるんだ。」

 「そうだね。パパ達はルール通りやってるんだけどね。」

 「ふ〰ん。」

 納得いかないようだ。社会科の時間に習った立法府としての国会と私の話とが頭の中で噛み合わない。

 そして、最後に一言。

 「うちのクラスにも乱暴者はいるけど、そんなことしないよ。多分幼稚園でもしないんじゃん。」

 彼女の率直な感想だ。

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