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【秘書ログ】 TPP交渉を振り返る(2) ~ 日本が勝ち取った栄誉と内容 ~

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2015年10月 9日 18:23 | 秘書ログ

 10月5日に大筋合意されたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の内容については既にマスコミ各社が報じ始めている。概要については、内閣官房のホームページ(http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf)などで確認できるが、これらを踏まえて、今後具体的なメリットとデメリットが試算とともに明らかにされ、10月9日に発足した全閣僚から成るTPP総合対策本部で具体案が練られていくことになる。
 自民党の2014年総選挙の公約で掲げられ、衆議院及び参議院の農林水産委員会で決議された「重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)の保護」については、全般的に現行の貿易制度が維持され関税も維持されるなど、聖域なき関税撤廃が前提とされていなかったことが証明された。その他の農畜産物について、「関税撤廃」という新聞の大きな見出しが目に付くが、例えば、関税が即時撤廃される「ぶどう」について言えば、国内生産量が18.6万トンであるのに比べて、TPP参加国からの輸入量の現状が1.8万トンと少なく、関税が6年かけて段階的に撤廃される「さくらんぼ」について言えば、既に外国産との差別化が進んでいる(農水省担当者の説明)ことから、大きな問題は生じないものと見られる。
 このほか、日本の国民皆保険制度について、アメリカの生命保険会社によって破壊されるという論調もよく見られたが、この点についても「金融サービスの章の規定は、公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度には適用されない」という取り決めと「日本は社会事業サービスについて包括的な留保(将来にわたって適用を逃れることができること)を行っている」ことから複層的に守られた。
 他方で、工業製品の輸出については、日本から参加11か国への輸出額(約19兆円)の99.9%についての関税が撤廃されるという我が国にとって有利な成果を勝ち取った。
 10月8日の自民党本部における会合での甘利TPP担当大臣の発言によれば、「日本が交渉に参加してからアメリカ一強の状況が改まった」と小国から感謝されたそうである。ハイレベルな交渉が行われる上での他国との信頼関係もあることから、交渉に関する情報は発効後4年間明らかにされないため、本当の舞台裏は分からない。しかし、世界全体の自由貿易のルール作りにつながるTPPにおいて、日本が主導的な役割を果たし、アジア太平洋地域の信頼をも勝ち取れたことは、エポックメーキングな誇らしい出来事だったということについて、疑いを差し挟む余地はない。 〈秘書W〉

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