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【秘書ログ】 「国会議員による消費者保護」のニュース価値

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2016年10月 8日 18:57 | 秘書ログ

 国会議員の活躍はニュースにならない。10月1日から新たに始まった消費者保護制度をめぐる報道に接しての感想である。この新制度は、「消費者契約に関して消費者に生じた財産的被害を集団的に回復するための裁判制度」で、第一段階として、国から認定された団体が事業者側に賠償の義務があるかの裁判を起こし、それに勝訴した場合に、第二段階として、被害者を募って財産を取り戻す制度である。
 この制度は、賠償額について、消費者が実際に事業者へ支払った金額の範囲内に限られ医療費や慰謝料など拡大した損害には及ばないこと、訴訟の担い手について、裁判を起こせる国の認定団体が少ないことなどの課題が指摘されている。しかしながら、この制度の設計について議論された3年前は、この法律が本当に消費者保護につながるのか、事業者を過度に委縮させないのかが主な争点となっていた。
 背景には、クラス・アクションというアメリカの同様の法律で、賠償金の多くが弁護士報酬に回り、消費者に戻ってくる金額は僅か、多くの場合が、次に商品を買ったりサービスを受けたりするときの割引クーポン券が支給される、という状況があった。
 そこで、自民党における平議員らの討議を経て、消費者に確実に損害額が戻ってくるように、そして、一獲千金を狙った訴訟が乱発しないように、ガイドラインによって弁護士の報酬に歯止めを掛けた。前述のアメリカの状況の原因に高額な弁護士報酬があったので、日本では弁護士報酬が被害額に対して単純比例しないよう工夫が凝らされた。
 10月1日前後の報道において、これらの経緯は伝えられていないようだが、一つの仕組みだけで、制度全体が適正化されるという立法技術を私は思い出した。この安全弁が予定通り働けば、消費者保護がしっかり図られていくことが期待される。
 国会議員の活躍などニュース価値がないのであろうか。しかし、汚職や陰謀論だけでなく、たまには素晴らしき政治ドラマを伝えても良いのではないかと。私は思う。 〈秘書W〉

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