【インターンによる発信 『若い声』】  選挙運動できない学生インターン、リツイートできない未成年学生

2015年5月20日 12:49 | 若い声

 インターンのR・Mです。私たち学生インターンは普段、国会議員インターン生として政治活動のお手伝いをしています。しかし、いざ選挙となると、現行の公職選挙法では20歳未満の選挙運動が禁止されているため、未成年のインターン生はインターン活動を一時中断します。今国会(第189回)では昨年に引き続き選挙権の18歳への引き下げが検討されていることから、私は学生インターンにとって大きく関わる問題として、これまでになく議論の推移に注目しています。

 現在19歳の私は未成年であるため、昨年12月の衆議院議員選挙・今年4月の統一地方選挙ともに、選挙運動に参加できませんでした。普段は「政治活動」の一環として先輩とともにインターン活動に励んでいるにもかかわらず、「選挙運動」となると何もできないことに、現行法制度の大きな矛盾を痛感しました。

 日本経済新聞には、選挙権について「国立国会図書館が調べたところ、『18歳』は米国、フランス、ドイツなど167カ国。主要国もほとんどこの年齢だ。『20歳』は台湾、カメルーンなど5カ国・地域にとどまる。」という記事がありました。つまり国際的にみても18歳選挙権は普遍的な権利であり、日本の学生が等しく選挙運動や投票行動を行えないことに、私は納得ができません。将来政治の世界に入りたいと思っている学生はもちろん、政治に興味を持つすべての学生にとって、法規制に阻まれ選挙運動ができない、一票を投じられないということは、主権者の1人であるという自覚を持ちたくても持てないということであり、非常にもったいないと言えます。

 また総務省はインターネット選挙解禁に伴い、「未成年の方は選挙運動はできません!」といった文書を発表、未成年者がインターネット上でも選挙運動をしないよう呼びかけました(http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/popup-chirashi02.html)。成年者については、ブログやSNS上で候補者に関する投稿をすることはもちろん、TwitterでのリツイートやFacebookでのシェアも通常の政治活動と同様に解禁されましたが、未成年者については、これらの選挙運動は依然として禁止されたままです。政治学科に所属する私は友達とよく総選挙の話をしましたが、公示前にこのことを教えると、多くは「知らなかった、気を付けるよ。」と言いました。私は公職選挙法の存在を友達に教えながらも、「周りには選挙だけでも政治に注目している一定数の学生がいるのに、自分はそんな同級生の政治参加に対する期待を、法規制の実態を伝えたことで削いでしまったのではないか。」とやり切れない気持ちになりました。

 昨今、若者の投票率低迷が叫ばれる中、少しでも政治を良い方向にしたいと考え行動している学生は少なくありません。確かに世間の若者に対する期待と、実際の若者の政治意識に大きな隔たりがあることは、低い投票率が物語っています。しかし2050年の日本を担うのは私たちの世代であり、少なくとも政治という分野で真剣に取り組もうとしている学生の興味ややる気を削ぐべきではないと思います。公職選挙法が改正され18歳選挙権が認められた後は私自身も選挙運動に参加して、その魅力をサークルの後輩にも伝えていければと考えています。

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※ 2014年総選挙の模様

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