【インターンによる発信 『若い声』】  私見「平和安全法制法案」  ~ 国会審議・マスコミ報道・国会周辺デモから見えたもの ~

2015年10月 2日 17:59 | 若い声

 インターンのH・Oです。9月19日未明、参議院本会議で平和安全法制法案(通称:安保法案)が可決され、同法案は成立しました。法案審議中は、平将明事務所のある衆議院第一議員会館へ向かう通りやその周辺の路上は、安保法案に反対する人たちで埋め尽くされていました。しかし、法案成立後の10月1日現在、私の見る限り抗議活動は一切行われておらず閑散としています。何か不思議な感じです。

 安保法案に関する一連の報道を見ての私の印象は、反対派の意見、抗議活動ばかりを取り上げ、安保法案が「戦争法案」であるというイメージが先行されているというものでした。マスコミが法案の中身をわかりやすく報道した上で、国民が「戦争法案」と判断するならわかります。しかし、私が目にした報道は、賛成派、反対派の主張を公平に取り扱わず、反対派の様子ばかりを流し、安保法案=「戦争法案」と表面的なイメージを植え付けるものでした。権力を監視するというマスコミの役割は重要ですが、新聞やテレビは、まずはじめに国民が理論的に賛否を判断できる材料の提供を行ってほしいという思いでした。

 また、法案の中身の理解が進まずイメージが先行してしまった原因は、報道機関だけではなく国会審議にもあったと思います。国の安全保障政策に関わる重要な法案であるということから、国会での審議には多くの時間(衆院:116時間30分、参院:約100時間)が費やされました。しかしながら、何回か見た平和安全法制の特別委員会の中継では、野党は言葉を換え重箱の隅をつつくような質問ばかりを繰り返し、時には法案と無関係に近い質問も飛び出して、ひたすら時間だけを浪費する光景でした。これには正直見ていてうんざりしましたし、これでは法案の論点が浮かび上がらず国民の理解は深まらないだろうと思いました。

 これを改善するには、野党の質問の質の向上が必要です。というのも、国会審議において、政府側は、基本的に野党の質問に答えることしかできないからです。反対に質問をすることもできませんし、答弁側が論点を明確にしたくてもそれに対する質問が無い限り俎上に載せるのは困難でしょう。

 個人的には、結果的にこれだけの時間を使うのであれば、この法案は、日本国憲法の下、集団的自衛権の一部だけ行使を容認するという世界でも類を見ない技術的な要素を含むものでしたので、1条1条、どこが問題なのか、丁寧な議論をする逐条審議をすべきだったと思っています。

 今後も重要な法案の審議が行われることがあると思いますが、その際には、公平・中立性を大切にする報道の質、法案の本質を突く野党の質問の質、これら2つの向上が欠かせないと安保法案の審議を見て強く思いました。

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