【インターンによる発信 『若い声』】  就職活動の解禁時期について思うこと

2015年10月23日 16:31 | 若い声

 インターンのY・Kです(以前「チーム学校」について書いた方とは、同じイニシャルの別人です)。私は今、大学3年生で、遠い未来だと思っていた就職活動解禁の時期がいよいよ近づいてきました。大学生の就職活動は、2016年3月の卒業予定者から後ろ倒しになり、3年生の3月に情報解禁(説明会スタート)、4年生の8月に選考開始(面接スタート)に変更されました(以前は、3年生の12月に情報解禁、4年生の4月に選考開始でした)。

 この後ろ倒しは、大学関係者で構成された就職問題懇談会が経団連等に要請し実現されたものです。「大学には、学生に高い学力と豊かな人間性を身につけさせ、実社会に送り出すという社会的使命と責任がある」との名目のもと要請が行われました。就職問題懇談会によれば、これまでの就職・採用活動時期では、大学教育が多大な支障を受けるということです。

 しかし、何のために就職活動を後ろ倒しにしたのか、私は腑に落ちません。指摘されていた試験期間と就職活動が重複するという弊害に関してですが、大学3年の1月に重複していた試験と就活が、4年の7月にずれ込んだだけで、就活生がリクルートスーツを身にまとい期末試験会場にやって来た姿を幾度となく目にしてきました。  また、就職活動を短期間で終わらせ、大学生が学業に専念できるようにするという目的も空回りしています。実質的な選考過程で優秀な学生の青田買いのために行われているとも言われる「企業インターンシップ」の開始時期については特に規定がないため、多くの企業は大学3年生を対象に夏休みから始めています。したがって、我々には大学3年の夏から4年の夏まで約一年間にわたるという、かえって長期化した就職活動が待ち受けているのです。そのせいで、大学生活の集大成である卒業論文の作成に取り組む時間が十分にとれないのです。

 我々の世代は、いわゆる「ゆとり世代」と言われています。教育制度が一時的に変更され、円周率は3.14ではなく3で習いました。しかし、どう計算しても円周率は3ではありません。3だと正六角形になってしまいます。また、土曜日の授業がなかったため、ゆとり教育の目的に掲げられていた「考える力、発想力」醸成の機会を怠惰に過ごしてしまった世代です。国が良かれと思い政策転換したものの、「ああ、やっぱりしなきゃよかった。元に戻そう。」と振り回された当事者です。  今現在、2017年3月卒業予定者の就職活動解禁の時期は確定されておらず、早くも12月に戻すという噂もあるなど、不安を抱えながら3年の冬を迎えます。我々の願いは、余計な心配をせず、確立された制度の下、気持ちよく就職活動を開始させたいというささやかなものです。そして、何よりも、決めるときに決めずに結論をずるずる先送りすることだけは、絶対に避けていただきたいです。

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