【インターンによる発信 『若い声』】  三種類の政治家

2017年1月23日 20:26 | 若い声

 永田町には三種類の政治家がいる。私の2年半にわたるインターン経験から得た結論だ。今回はインターン卒業間際ということもあり、私が国会議員という職業に対して気付き、考えてきたことを書きたいと思う。

 三種類の政治家とは、①自らの経験、つまりエクスペリエンスで語る議員。②社会的公正、つまりジャスティスで語る議員。③実証的データ、つまりエビデンスで語る議員。このように分類できると私は考える。

 まず「エクスペリエンスで語る議員」。このタイプの政治家は闘病・育児・介護・障がい者支援・教育などの自らの経験に基づいて、永田町で専門分野の課題を解決したいと政治を志した人々だ。これらの政治家は、自身が携わりたい政策分野や成し遂げたい議員立法の形がはっきりしているため、意志が非常に強く、他者に対して訴える力も抜群である。また各現場を肌で知っているので、ニーズに即した課題解決を図ることが出来る。選挙では自身の経験と挫折を語り、その上で実現したい政策を訴え有権者の共感を得る。

 次は「ジャスティスで語る議員」。このタイプの政治家は、○○主義といった政治信条に基づき、社会の諸問題を解決したいと政治を志した人々だ。これらの政治家は正義感が非常に強く、社会が公正であるべきことに心血を注いでいる。また地方議員・秘書からの叩き上げの人も多く、政治経験が豊富であることが強みである。さらに他者の正義にも耳を傾け、正義の共通項を探求するなど調整能力も高い。選挙では国家や地域にとっての正義を熱く語り、有権者の心を掴む。

 第三は「エビデンスで語る議員」。このタイプの政治家は各種統計などの実証データに基づき、客観的視点から政治を行おうと、政治を志した人々だ。これらの政治家は官僚出身者が比較的多く、多方面にわたり勉強熱心であることが特徴である。彼らは官僚と共に政策の理論化を実務的にこなす。そして時には省庁本位の政策を厳しく批判し、俯瞰的な政策に作り変える。選挙ではデータを示しながら分かりやすい説明と共に政策を訴え、有権者を深く頷かせる。

 私は冒頭、三種類の政治家がいると書いた。しかし実際には、淘汰される場合もあるが、この三種類が入り交じった議員がほとんどである。衆院選・参院選をお手伝いさせていただいた私は、いずれのタイプの議員も見てきた。国会議員が各々の考えをぶつけ合いながらも、最終的には三位一体となって政策を作っていく過程は、2年半見ていて全く飽きることがなかった。

 平議員は間違いなく「エビデンスで語る議員」だろう。しかし平議員は一味違う。政策論争では客観的な実証データ(エビデンス)を基礎にしながらも、現場では中小企業で得た経営感覚という確かなエクスペリエンスで人々と分かり合い、そして頑張った人が報われるフェアな社会を作るというジャスティスを携えながら、今日も永田町で活躍している。そんな平将明議員と平事務所のインターン生として2年半の学生生活を送れたことを、とても誇りに思う。

 三種類の政治家については優劣も正解もない。テレビや新聞には出てこない永田町のなかでは、三種類の政治家がそれぞれ経験、正義、データを携えて、絶えず政策論争を繰り返しているのだ。私は「同じ自民党の議員同士であっても、こんなに白熱した是々非々の討論をするのか!」と度々驚いた。同時にそれは、国会議員という職業は有権者1人ひとりの想いを背負っているのだと、強く感じさせる瞬間でもあった。私が最も伝えたいことは、私が高校生のときにイメージしていた永田町よりも、実際は多様性にあふれ、自由闊達な議論が交わされる言論の府がそこにはあるということだ。

(インターンR・M)

LDP.jpg[写真:自民党本部では今日も多様な議論が交わされる]

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