【インターンによる発信 『若い声』】 政治の最前線はどこにあるのか。

2020年4月20日 18:35 | 若い声

 私は、高校3年の1月からインターンシップに参加させて頂いている。まだ3ヶ月しかたっていないが、社会経験の浅い高校生の私だったからこそ見えてきたことがあった。


 インターンシップを通じて最も印象深かったことは「机上で学ぶ政治」と「現場で学ぶ政治」の余りにも大きな違いだ。高校の「机上で学ぶ政治」とは、暗記をしてテストで点数を取る事を目的とした形式的な硬くてつまらないものばかりである。このような教育を受けている高校生にとって、政治の最前線とは、ニュースで報道される衆議院や参議院の本会議のごく一部、野党の質問に対して総理やその他の大臣が答える一場面となる。私も以前はそのように捉えていた。しかし、この3ヶ月でこの考えは大きく覆された。実際の政治の最前線とは、過去・現在の分析を行い、未来を創る場所であった。


 平将明議員が宇宙開発・IT政策・クールジャパン戦略などを担当する内閣府副大臣であることもあり、それらの政策分野に関係する自民党の意思決定機関である部会や議員有志の勉強会である議員連盟などの会議に参加させていただく機会が何度かあった。時には傍聴席で議論を聞いて後で内容を報告したり、時には会議の運営や議事録の作成のお手伝いをしたり、様々な関わりを持たせていただいた。そこで私は、各分野の専門家の方々と議員の先生方が、より良い未来を創るために、過去・現在の事象を分析・考察し、真剣に意見をぶつけ合っている姿を目の当たりにした。


 例えば、私が議事録をまとめたPoliPoli宇宙会議では、宇宙政策について、これまではビジネス視点に欠けていたため、現在は衛星データをオープン&フリーにすることで精密農業など新たな産業を生み出してきたが、今後は更に日本国内のサプライチェーンを活かしたり産業を集積させたりして、世界に対抗する日本の成長戦略にしていくなどの議論がされた。このように会議の多くは、過去に打ち出された計画や方針等の概要の説明→現状の分析→未来に向けての改善策...と議論が進んで行く。私はここが様々な物事の原点であり、また政治の最前線だと肌で感じることが出来た。


 昨今、若者の政治離れが大きな問題として取り上げられているが、未来を創っている政治の最前線を私のように知る機会があれば、政治に興味を持つ若者が増えると確信している。なぜならば、「未来」の話の当事者は「未来」を生きる我々若者であると傍らにいて実感できるからだ。高校生が容易に想像するような、気難しい政治家や専門家が気難しい話をしていることが政治の全てではないと私は強調したい。


 昨年12月、ドイツ人の友達の自宅にホームステイした際に彼女の友達らとアメリカの政治についてディスカッションをする機会があった。私は最初、日常会話の中で友人らが政治を話題にし始めたことに驚きを隠せなかった。すると彼女は「自分たちに関係することなのに、なぜ話し合わないの?」と私に尋ねてきた。この言葉の本質を、インターンシップを通じて理解することが出来た。自分の将来設計について話し合う事と同じように、我々を包括する国の未来について話し合う必要があるのだと。


 自分たちの未来を創る議論を実際に見聞きし、自身でも考察して未来の姿や方向性について意見を確立しようと試みることがインターンシップの意義の一つであると私は感じている。まだ、未熟者ではあるが筋の通った自分の意見を確立できるよう、これからも「現場で学ぶ政治」を大切にしていきたい。(インターンS・N)


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『未来を創る』(渋谷にて撮影)

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