【インターンによる発信 『若い声』】 マイナンバーカードはなぜ普及しないのか

2020年12月16日 17:25 | 若い声

マイナンバーカードはなぜ普及しないのか。インターンの私は政治の世界に片足を突っ込んでいる身として正直、疑問に思っていた。インターンとして議員事務所にいると、先生方、官僚の方の話に触れる機会があるが、その話を聞けば個人レベルでも、マイナンバーカードを取得した際のメリットを具体的に理解することができる。


例えば私の住む新宿区では、マイナンバーカードを使って、コンビニで住民票のみならず税証明(課税証明書、非課税証明書)の交付を受けることができる。利用時間はAM6:30~PM11:00で多忙な方でも利用可能だ。また、マイナンバーカードを持てば、全国各自治体との情報連携により、税や社会保障などの手続きの際の添付書類が省略され、手続きの煩わしさが解消されるというメリットもある。カードには12桁の番号、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真が記載されているので、身分証明書にもなる。今後は、健康保険証(2021年3月予定)や免許証(2026年に一体化の方向性)への導入が検討されている。


今回のコロナウイルスは我々の生活のデジタル化の必要性を高めるとともに、マイナンバーカードの必要性を高めたように思う。特別定額給付金の申請においては、アナログ処理では時間がかかり、給付を受けるまでに時間がかかったというニュースを聞いたり、また体験したりしなかっただろうか。他方でマイナンバーカードを利用した申請、マイナンバーと住民基本台帳との連動、これらがうまく機能した自治体ではスムーズに給付金が預貯金口座に振り込まれた。


このように多くの具体的メリットが挙げられる中で、マイナンバーカードが普及しないのは、議員の先生方のマイナンバーカードに対する認知不足と国民のマイナンバーカードの認知遅れが主な原因ではないかと考える。私が部会と呼ばれる自民党の勉強会に代理出席した際、官僚からのレクチャーに対して、「マイナンバーカードを持つと個人情報が流出しないのか」などの初歩的な質問をする先生と「システムをどのように行政側からではなく、国民の目線で、作成できるのか。UI、UXの視点が必要だ」などの進歩的な議論を生む先生の差が顕著に垣間見えた。また、参議院総務委員会の質疑において、「私、カード持っておりません」「政府に何か使われてしまうんじゃないかという、やっぱりこの懸念というのは大きい」という理由でマイナンバーカードに反対する野党議員もいる。


国民の視点からは、CMなど各種広告で、給付金受給等の実益に繋がることが分かったことからマイナンバーカードの申請が殺到したが、2015年10月に制度が発足していたのだから、この5年間の認知遅れギャップは大きな反省材料と言えよう。


しかし、行政側にも問題がないわけではない。10万円の特別定額給付金の交付において、マイナンバーカードを利用したオンライン申請を優先するのであれば、マイナンバーカードの申請が殺到することを見越すべきであったし、その申請に際して申請者IDが分からないと役所に行かなければならないことや、有効期限(20歳以上は10回目の誕生日、20歳未満は5回目の誕生日まで)の更新の際のパスワード忘れでロックがかかることを考慮して、あらかじめ人を手当てすべきだったろう。なお、サーバーをダウンさせてしまうのは弁明の余地もない。


今回、特別定額給付金申請などの助成金においてマイナンバーカードの有益性の社会認知が深まってきたと思う。また、マイナンバーカードの本格化に伴い、サービス受益の格差が本格化するのではないだろうか。微力ながらこれからもマイナンバーカードの正確な理解を発信していきたい。


(インターンY・S)


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※ マイナちゃんの使用については内閣官房番号制度推進室の許可を得ています

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