【秘書ログ】 V-RESASで高められる政策立案の精度

2021年2月 2日 19:55 | 秘書ログ

 V-RESASが昨年6月にリリースされた。元祖となるRESAS(リーサス:Regional Economy Society Analyzing System「地域経済分析システム」)は、平議員が地方創生担当副大臣だった2015年4月に導入したもので、産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し可視化するシステム。政府のみならず自治体や地域活性化に関心を持つ方々に、効果的な施策の立案・実行・検証のためなどに広く利用されてきた。新たなV-RESAS のVはVital Signs of Economy(経済のバイタルサイン)の頭文字から取ったもので、刻々と変化する経済の状況までも可視化する、RESASのバージョンアップ版である。
 平議員が経済財政政策を担う自民党内閣第二部会長に就任した後の昨年12月に、V-RESASの開発者からプレゼンを受けると、その場で「自民党内閣第二部会での内閣府からの月例経済報告と日本銀行からの金融情勢の報告の際に説明してほしい。これまでの報告内容には、2か月前の経済情勢も含まれるなどタイムラグがあった。特にコロナ禍における緊急事態宣言と支援策、需要減と経済対策、これらは適時適切に打ち出さなければならないので、リアルタイムに近い経済指標が不可欠だ」。V-RESASに限らず平議員が聞いた話は、すぐに政策立案に昇華される。
 内閣第二部会では、「V-RESASによる分析結果はすべて当然の内容で、それに基づく提案を担当部局から聞きたかった」という意見もあったが、まだ緒に就いたばかりで、アイディアは行政から待つのではなく政治から出ても良いはずだ。また、分析内容は当然としても、根拠が報道、陳情、肌感覚などのエピソードやエモーションに依るのではなく、確固たるエビデンス(証拠)に基づいて、政策立案は行うべきだろう。
 そもそもV-RESASは、EBPMと関連している。EBPMは、Evidence Based Policy Making(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング:証拠に基づく政策立案)の略で、平議員が自民党行政改革推進本部の行政改革レビューチームの座長のときに、小倉將信議員からの提案で検討を進め、政府に標準化されてきたものだ。イギリスでは、エコノミストを各省庁が採用し、各政策を作る上で統計的な観点、データや証拠から妥当性の確認を行う。日本も瞬間風速的なエピソードに基づいて政策を作るのではなく、エビデンス(確かなデータ)に基づいて政策を作るべきではないかということから始まった。
 このように政策立案の精度は高められてきているが、政策決定の手続きのスピードに課題を残しているという。昨年春のコロナ対策を取りまとめた当時の自民党政調事務局長の木原誠二議員が悔恨の念を込めて述べているが「総理がやると言ってから予算が成立するまでに1ヶ月かかるシステムは諸外国と比べて課題がある」(『平・木原の地上波いらず 名前の順序は(仮)』 9分45秒頃から10分程度)。平議員はここでも政府、政党、国会のDX(デジタル・トランスフォーメーション)でスピードアップを図りたいとのことで、その取り組みをいつかご紹介できればと思う。 〈秘書W〉


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