Season2 第40回カフェスタトーク【慶応義塾大学経済学部 土居丈朗教授】

2012年11月26日 13:11 | カフェスタトーク
 今回は日本を代表する財政学の権威と言われる慶應義塾大学教授の土居丈朗さんをゲストにお迎えしました。平議員と土居教授の接点は古く、平議員が大田青果市場で仲卸の社長を務めていた頃に遡ります。当時の経済産業省産業構造審議会基本政策部会に平議員が民間代表の委員として土居教授が学識委員として参加した時からのお付き合いです。
 全ての政策には作用と反作用がある。どの政策をどう組み合わせるか決めて進めるのが与党の役割とした後、日本の財政状況、主に歳出の増加と歳入の減少との開き(「ワニの口」)をいかに縮めていくかという議論に入っていく。土居教授は歳入増加策として、税率を上げる、又は経済成長を促して税率を維持したまま税収を増やす、この2つが基本と解説した。他方、歳出の削減について、今の日本では、かつての公共事業のように「削りしろ」が多い分野がなくなっているので、1つの分野だけでなく全ての分野を精査することが大切とした。その点で、両者はどの政党が政権与党になっても問題のある予算は削減していかねばないと述べて、予算一つ一つの使い道を公の場で追及する「事業仕分け」の重要性を説いた。
 また政府と日銀との連携についても触れた。日本ではインフレターゲットを設けていないので、政治家が日銀に圧力をかけても、日銀は(貨幣価値を守ることに使命感を持ち)デフレ解消に対し控えめな政策をとるため政府を押し返すことが続く。本来は、消費を増やすことで生産を増やし、生産を増やすことで賃金を増やし、賃金を増やすことで消費を増やす、という好循環により景気回復を図るべきだが進まない。このような現状を受け、政府と日銀が中長期的なインフレターゲットを共有する必要があると平議員は強調した。この他、インフレでの損得、B/C(費用対効果)などの話題が続いた。

PAGE TOP