【インターンによる発信 『若い声』】 自民党総裁選の広報活動から学んだこと

2018年12月14日 18:51 | 若い声

 今年のインターン活動を振り返ると、自民党総裁選において、石破選挙対策本部で記者からの取材に対応する平議員に同行したことが特に印象に残っている。平議員は石破派(水月会)で元々広報委員長を務めていたこともあり、総裁選を通じて国会議員が行う広報活動を間近で見ることができた。なお、石破陣営の広報戦略について詳しくは平将明公式HP「自民党総裁選で大きな資産を手に入れた 石破派のネット戦術」をご覧いただきたい。
 国会議員の広報活動であるが、私の想像とはかなり違ったものだった。広報活動というと、テレビ局や新聞社などのマスメディアからの取材対応がメインであると思っていた。しかし実際は、それに加えてネットを活用した直接の発信など積極的な広報活動が重要な割合を占めていた。例えば、「47都道府県動画」である。石破総裁候補から47都道府県に住んでいるすべての方々に向けたメッセージが候補者の総裁選特設サイトやSNSにアップされた。また、石破陣営が作成した「石破総理が誕生したらこんな日本になる」という近未来小説も同様に総裁選特設サイトに載せられたり、小冊子にして配られたりした。さらに、これらのメッセージの存在を多くの人に知ってもらうため、積極的にマスメディアに働きかけてもいた。これらの手法からは、政策を少しでも分かりやすくして、できるだけ多くの人に見てもらおうという広報担当の努力が読み取れた。議員から国民へ政策を発信する場があることに私は新鮮さを感じた。
 同時に、このような活動をしている議員がいるにもかかわらず、自ら何も知ろうとせず、ぼんやりとニュースを見ているだけで入ってくる情報に満足していた今までの自分、テレビやネットのニュースで○○議員の失言、汚職、支持率の低下...といった話を耳にし、この政権はもう終わりかなと考える程度の今までの自分が情けなくなった。しかし、私のような学生は決して少数派ではないと思う。自民党総裁選に限らず、それぞれの議員が考える政策について目を向けて自ら情報を得ようとする学生は、少なくとも私の周りにはほとんどいない。
 議員からのネットなどを通しての直接の訴えは、報道を通して聞くのとは大きく違う。なぜなら、報道では情報が取捨選択された上で解説が加えられることが多いが、直接の訴えは議員側がどれだけ分かりやすく伝えようとしても、それを情報の受け手側が自分で情報を咀嚼し考える作業が必要になるからだ。私自身、47都道府県動画を見たが、それらは膨大な量で全て見るのは大変な作業であったものの、石破議員が成そうとしていることを誰のフィルターにもかかっていない情報として得ることができた。そして、それが私たちの生活にどのような影響を与えるのか自然と考えるようになった。これは、テレビのニュースを眺めているだけでは得られない経験である。
 平議員のように議員の訴えを直接国民に届ける機会を作るべく尽力している議員がいることを今回の自民党総裁選で学んだ。また、自民党の総裁選に関わらず、それぞれの政党や国会議員のウェブサイトにはそれぞれの議員が考える理念や政策が掲げられている。私たちは能動的にこれらに耳を傾け、自分の価値観で判断する必要があると感じた。

(インターン A・T)

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