【インターンによる発信 『若い声』】 自民党の部会に端を発したボストン留学

2021年4月 2日 13:45 | 若い声


 突然ですが、国会議員インターンシップに参加する学生について、どのようなイメージを抱かれるでしょうか?あくまで私見ですが、①政治や政策分野に関心がある学生、②漠然と現在の社会に問題意識を持っている学生、この2つのタイプに大別されると思います。私は後者に該当していました。そのため、平将明事務所インターンを開始して3か月が経っても、これといった関心分野が見つからず、焦りを感じていました。そんな時、秘書の方から「自民党の政策決定機関に当たる部会では、毎日いろいろな政策分野について意外に真面目に検討を行っているので、良かったら覗いて来たら?」と勧められて出席したのが、大学経営に関する自民党の部会でした。

 私が陪席した文部科学部会では、国公立大学を中心に運営交付金の見直しが進む中で、大学はより一層自主的な経営努力を行う必要があること、外部資金獲得の方法としてファンドの設立や大学債の発行、寄付、投資といった方法があることが議論されていました。また、欧米では大学経営について学生も関心を抱いており、例えば投資先の選択に異議を唱えるデモが行われたこと、さらに、研究領域に関しては、学生と企業の共同研究やスタートアップの立ち上げも珍しくないことが説明されていました。特に大学における研究費用といえば、国から交付される補助金という印象が強かった私にとって、産学連携や起業という方策は興味深いものでした。そして、大学経営に学生がプレイヤーとして参画している欧米の大学に留学して、学びを得たいと考えるようになりました。

 留学先は、アメリカ有数の学術都市であるボストンを選びました。運よく関心のあるテーマを追究できるクラスに入ることができましたが、留学当初は、多文化が混じり合う慣れない環境の中、自分の興味関心を指導教官に伝えることに苦労しました。特に日本における「学術都市」という概念が通用しないことに驚きました。私は状況を打開するために「ボストンは学術都市である」という固定観念を捨てて、カフェテリアで100人以上に「ボストンはなぜ人を惹きつけるか」というアンケートを取りました。結果として、留学生はボストンという都市ではなく個々の大学に惹きつけられているということ、その理由の一つとして、産学連携や起業の実績が挙げられることが判明しました。さらに、産学連携や起業が盛んな大学に共通する、学内における賞金や支援を獲得できるビジネスコンテストなどの起業支援制度の充実と強固なOB・OGネットワークという2つの特徴を見つけることができました。このように、がむしゃらに突き進みながら最終的に完成させた研究は、新たな事実を見出したということで最優秀評価を獲得しました。

 帰国後、平議員にボストンでの研究成果を報告したところ、「日本でも産学連携に賛同している人は多いにもかかわらず、実際に進展しているとは言い難いので、次はその理由を探ってみてはどうか」という助言を頂きました。そのため、複数の省庁のインターンシップに参加して、日本の事例について知見を深めるように努めました。さらに、卒業論文では、リサーチ・アドミニストレータ制度の導入が国立大学の産学連携実績に与えた影響について分析を行いました。

 大学卒業を目前にこれまでの学生生活を振り返ると、インターン活動の一環で訪れた自民党の部会をきっかけに、留学をはじめ様々な道が開けて貴重な経験を積むことができたと感じます。決して初めから高い志を抱いている必要はなく、まずは行動することが重要です。私はこれらの経験の中で芽生えた日本の高等教育改革と科学技術振興に貢献したいという志を胸に、この春、文部科学省に入省します。いまだ平議員から頂いた問いに対する明確な答えは見つかっていませんが、今後も「考えながら走り、走りながら考える」姿勢を大切に探っていきたいです。

 平将明事務所には、平議員をはじめインターンの「若い声」に真剣に耳を傾けてくださる方々がいらっしゃいます。これからインターンする方々も臆せず様々な話を聞ける場に行くことで、自分の世界を広げるチャンスを掴んで欲しいと願っています。

(インターンA・S)


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