【インターンによる発信 『若い声』】 東京18区の女性公募から考える、政治と自民党のあり方

2023年3月29日 19:15 | 若い声


 ―女性候補公募への賛否―
 「自民党、やるじゃん!」
 自民党東京都連が衆議院東京18区の公認候補を女性限定で公募するというニュースを目にした時、私は思わずそう呟いた。


 私は、今回の自民党東京都連の決定に全面的に賛成だ。国会において圧倒的少数である女性を、さらに公募という開かれた形で募集することは、非常に高く評価されるべきだと思う。しかしこの決定に対してさまざまな側面から批判的意見があることも事実である。ジェンダーに関心を持つ学生の一人として、また多様な政治参加の実現を願う者の一人として、僭越ながらこれらの批判に対する個人的な考察をいくつか示してみたい。


 まず、「性別で決めるなんてそれこそ性差別じゃないか」と言う意見。
 クオーター制に関する議論でよく耳にする主張だが、これまでの歴史と現状をよく考えてみて欲しい。現職の国会議員のうち女性はたった15%である。戦後、国会議員の女性比率が30%を上回ったことは一度も無く、衆議院議員のみで見れば最高でも10%程度である。しかし、日本国民の半数は女性だ。国民の代表たる国会議員の男女比が、国民の男女比と大きくかけ離れていることは、果たして適切な状況だといえるだろうか。特に今は、経済的・社会的格差や暴力などのジェンダー課題、あるいは少子化対策・子育て支援などの幅広い視点を必要とする課題が山積しており、より多様な声を政治に反映させる必要がある。いびつな現状を是正するための対策は行われて然るべきだろう。


 また、「女性を自称すれば誰でも出られるじゃないか」と言う声もネットで見かけたが、この意見は性自認に対する理解が不足していると言わざるを得ない。
 人の性的指向と性自認(SOGI=Sexual Orientation & Gender Identity)はグラデーションであり、生物学的特徴やその他の要素によって一元的に決められるものではない。「自分は女性である」、と言う性自認を持っている人に対して、そのアイデンティーを否定することは誰にもできないのである(体格等の差によって配慮が必要とされるケースもあるが、政治参加はそれには当てはまらないだろう)。


 ―インターンから見た自民党のすがた―
 ここまで述べてきた私の考えは、大学での学びを通して培われたものである。実は私の通う大学の最寄り駅は、今回の議論の舞台となっている東京18区(武蔵野市、小金井市、西東京市)にある。リベラル色が強い大学で、授業内外で盛んにジェンダーに関する議論が行われているだけでなく、オールジェンダートイレが設置されるなど、実際の学生生活の中に多様性・包摂性が実現されている。


 誰も他人の自分らしさを否定しないこの大学の環境は、本当に居心地が良く、私の一番好きな場所だ。しかし大学での自民党の評判は、残念ながらあまり良くない。家父長制や反同性愛に代表されるような「古い保守」の象徴と見られているのだろう。だが、インターンとして働く中で知る自民党議員の姿は、むしろその逆である。ジェンダーをはじめとする多様性の実現のために尽力されている先生方を、実際に目の当たりにした。平代議士が党改革実行本部幹事長として策定に尽力した自民党のガバナンスコードにも、「多様な人材の育成と登用」を基本原則とし、政治分野における女性活躍の進展が最優先の重要課題であることが書かれている。


 自民党は、保守政党ではあっても、"家父長制の象徴"のような旧態依然とした政党ではない(と信じている)。党の綱領(2010年)は、以下のような文章で始まっている。
 一、 我が党は常に進歩を目指す保守政党である
   ① 正しい自由主義と民主制の下に、時代に適さぬものを改め、維持すべきものを護り、秩序の中に進歩を求める。
 目指すべき進歩とは何か。時代に適さぬものとは何か。それを国民の声を聞きながら柔軟に考え、国民のための政策を実行していく。そのような姿勢をより明確に示すことで、自民党が私の大学の学生を含め、東京18区の幅広い有権者の方々から更に支持されるようになることを、強く願う。

(インターン I・K)


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