秘書ログ

【秘書ログ】 OPEN POLITICS ― "政治"を全世代に開放する

2016年2月26日 13:50

 「OPEN POLITICS」が被選挙権年齢の引き下げを目指してキャンペーンを開始した(http://open-politics.org/about/)。この団体は、G1サミット(日本を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議する場)の大学生版"G1カレッジ"が発祥で、G1カレッジには、起業して会社経営する人、国際社会で汗を流す人など様々な分野で活躍する25歳以下の若者が集まったが、政治の分野だけは誰もいなかった。その原因に「被選挙権年齢25歳以上または30歳以上」という壁があるのなら、これを引き下げて同世代の人が活躍できる場にすべきだ。そういう思いが今回の動きにつながったという。
 平議員は、G1カレッジのボードメンバーの立場からキャンペーン開始の記者会見に出席し、「選挙権年齢を18歳に下げたなら被選挙権年齢も下げるのが合理的だ。そうしないと、被選挙権年齢30歳以上の参議院議員選挙では、一回り上の世代に投票することになる。未熟と言うが、若い人には情熱、感性、行動力がある」と応援の挨拶をした。記者会見に招かれた各政党も、一様に被選挙権年齢の引き下げについて積極的なコメントをしていた。
 たとえば、選挙における投票総数が今の規模のままで、今年7月に新たに選挙権の対象となる240万人(18歳、19歳の人口はそれぞれ120万人程度)全員が自分の政党だけに投票してくれるとすると、参議院の全国比例区では2議席分確保できる計算になる。さらに、選挙権を得ているもののいまだ全ての被選挙権を得られていない20~24歳までを加えて考えると、およそ120万人×7年=840万人で、これは前回の2013年参議院選挙の全国比例区で民主党が獲得した7議席(713万票)よりも多い8議席を獲得できる数字になる。各政党とも少しでも若者の票の掘り起こしにつながればという目論見があるのかもしれないが、それでも行動を起こした若者にとって心強い言葉の数々だった。
 実は、この国会議員8議席分という数は、政治団体を作れば「所属国会議員が5人以上」という政党要件を満たすので政党交付金を受けられ、参議院で会派を作れば本会議で総理に対して代表質問もできる数だ。そして、キャンペーンが実を結んで、被選挙権年齢が引き下げられ、この若い世代が自ら立候補し、若い世代すべてが自らの世代に投票したらどうなるか。それは、若者だけの政党が政党交付金による政治活動費を得て、若者の視点から国会で総理に質問をしたり立法活動を行ったりできることを意味する。若者だけでも政治的に大きな役割を果たすことができるのだ。
 いずれにしても、自民党からは青年局次長の小林史明議員が出席し、青年局として、被選挙権年齢の引き下げ、供託金の軽減、インターネット投票の実現、この3つを党の選挙公約に入れるよう働き掛けていくことを表明するなど、各政党が垣根を超えて集まって賛意を示したからには、政局の結果、何も進みませんでした、ということだけは避けなければならない。 〈秘書W〉

【秘書ログ】 TPP交渉を振り返る(3) ~ 自民党に生き続ける理念 ~

2016年2月 5日 18:01

 2月4日、ニュージーランドでTPP協定の署名式が行われた。しかし、そこには、担当大臣としてTPP交渉の中心的な役割を果たしてきた甘利明議員の姿はなかった。秘書による政治献金の私的流用の責任をとって、1週間前に大臣を辞任したからだ。
 実は、ここに至るまでもTPP交渉に関わるキーパーソンは、幾度となく交代してきた。元々TPP交渉参加9カ国(現在は12か国)との事前協議を始めたのは、民主党の野田政権であったが、2012年末に自民党へ政権交代した後、安倍総理が日米首脳会談に臨み「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」ことで、交渉参加を決めた。
 この間、反対派の勢いが強かった自民党内で推進派を導いたのは「環太平洋経済連携に関する研究会」の呼びかけ人だった川口順子議員と中村博彦議員であった。反対派が大規模な集会を開く一方で、この研究会は平将明議員や小泉進次郎議員をメンバーに連ねながらも、極めて少人数で理論的な検討を加え続けていた。そして、安倍総理のリーダーシップとTPP対策委員長の西川公也議員による説得で今日のTPP協定の確定に至った。しかし今、川口議員は政界を引退し、中村議員は他界している。
 結果として、交渉前、関税全廃を前提にGDP押し上げ効果プラス3.2兆円と試算されたものが、それを大幅に上回るプラス14兆円という交渉結果を勝ち取った。さらに、2月2日の農林水産省の発表では、2015年の農林水産物の輸出額が過去最高を更新して7,452億円となっており、今後関税障壁が撤廃されれば、更なる輸出額増が期待される状況下にある。
 現在、自民党では小泉進次郎議員が農林部会長に就任し、TPP対策を含む政府の「経済財政運営と改革の基本方針(通称:骨太方針)」への提言策定に向けたプロジェクトチーム会合を連日開催している。ここに小泉議員の要請もあり平議員も積極的に関わっている。平議員は、地方創生・国家戦略特区の担当副大臣として、日本全国で一次産業の可能性を見てきた。また、元青果市場の仲卸会社社長として農産物の流通の仕組みを熟知している。これから、日本農業は更なる成長産業化・輸出産業化に向けて動き出す。
 キーパーソンが変わっても自民党では理念が生き続け、それを担える人材もいる。 〈秘書W〉

【秘書ログ】 注目を浴びる大田区の取り組み "外国人観光客向け「民泊」の制度化"

2015年10月22日 11:40

 平議員の地元・大田区の取り組みが全国的なニュースになっている。それは、大田区が、国家戦略特区の規制緩和メニューを活用して、外国人観光客向けの「民泊(個人宅や空き部屋に有料で宿泊すること)」を制度化する計画についてのことで、同計画は、10月20日の国家戦略特区諮問会議(総理が議長)において全国で初めて承認された。大田区は現在、本事業に関する区民の意見等を募っており、年内の条例制定、来年1月からの条例施行を目指している。
 この大田区の動きの背景には、昨今の外国人観光客の増加により、大田区内の客室稼働率が91%(平成26年)に達している現状がある。大田区は、羽田空港を抱える日本の玄関口であるため、その需要を取り込むビジネスチャンスだけでなく、外国人観光客の宿泊をはじめとする様々なニーズに応える責務もあると言える。
 さて、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」は、旅館業法の規制の下におかれる旅館業とされる。そして、この「営業」とは、「社会性をもって継続・反復されているもの」と定義される。そのため、民泊を提供するかたちが、海外で活発化しているように「宿泊させたい人と宿泊したい人をつなぐ仲介サイトに登録し、元々知らない人を宿泊させ、その後も同サイトへの登録を続ける」ときは、旅館業法の「営業」に当たるものと解される。
 農林漁業体験や大きなイベント開催に伴う「民泊」は特例として既に認められているが、それ以外は本来、宿泊者名簿を備えたり衛生に必要な措置を講じたりするなどの安全面・衛生面に関する基準をクリアしなければならず、日本のホテル旅館業者は当然、法令を遵守した上でおもてなしを行っている。しかし、ネットを検索すれば、特例に該当しないはずの民泊が「家賃よりも稼げる」というニュースとして又は広告として日本にも溢れている。主務官庁の厚労省は、実態を把握した上での対応を検討しているが、結論は来年中という状況下にある。
 今週発行の自民党の機関紙「自由民主」は、大田区長から民泊についてヒアリングした観光立国調査会の模様を掲載した。同会合には平議員らが出席したが、大田区は既存の旅館業者との調整も行った上で「外国人観光客に限り7日以上につき民泊を認める」方針を採るということもあり、その取り組みを参考にしたい議員からの質問が相次いだ。今後、党としても、特区内に限らない民泊全般の適正な運用に向けたルール作りを進めていく。
 国家戦略特区は一般的に、岩盤規制に穴を空けるための仕掛けであるが、民泊については、特区制度を活かし条例を制定することで、適法化しようと試みるものでもあるので、規制の適正化とも言えよう。大田区は、違法性が疑われる民泊を既に区内で100件以上確認しているとのことで、今後どのように民泊を適法な流れに乗せていくのか、国会議員、ホテル旅館業者、民泊を望む人々、全ての期待が寄せられている。 〈秘書W〉

【秘書ログ】 TPP交渉を振り返る(2) ~ 日本が勝ち取った栄誉と内容 ~

2015年10月 9日 18:23

 10月5日に大筋合意されたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の内容については既にマスコミ各社が報じ始めている。概要については、内閣官房のホームページ(http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf)などで確認できるが、これらを踏まえて、今後具体的なメリットとデメリットが試算とともに明らかにされ、10月9日に発足した全閣僚から成るTPP総合対策本部で具体案が練られていくことになる。
 自民党の2014年総選挙の公約で掲げられ、衆議院及び参議院の農林水産委員会で決議された「重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)の保護」については、全般的に現行の貿易制度が維持され関税も維持されるなど、聖域なき関税撤廃が前提とされていなかったことが証明された。その他の農畜産物について、「関税撤廃」という新聞の大きな見出しが目に付くが、例えば、関税が即時撤廃される「ぶどう」について言えば、国内生産量が18.6万トンであるのに比べて、TPP参加国からの輸入量の現状が1.8万トンと少なく、関税が6年かけて段階的に撤廃される「さくらんぼ」について言えば、既に外国産との差別化が進んでいる(農水省担当者の説明)ことから、大きな問題は生じないものと見られる。
 このほか、日本の国民皆保険制度について、アメリカの生命保険会社によって破壊されるという論調もよく見られたが、この点についても「金融サービスの章の規定は、公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度には適用されない」という取り決めと「日本は社会事業サービスについて包括的な留保(将来にわたって適用を逃れることができること)を行っている」ことから複層的に守られた。
 他方で、工業製品の輸出については、日本から参加11か国への輸出額(約19兆円)の99.9%についての関税が撤廃されるという我が国にとって有利な成果を勝ち取った。
 10月8日の自民党本部における会合での甘利TPP担当大臣の発言によれば、「日本が交渉に参加してからアメリカ一強の状況が改まった」と小国から感謝されたそうである。ハイレベルな交渉が行われる上での他国との信頼関係もあることから、交渉に関する情報は発効後4年間明らかにされないため、本当の舞台裏は分からない。しかし、世界全体の自由貿易のルール作りにつながるTPPにおいて、日本が主導的な役割を果たし、アジア太平洋地域の信頼をも勝ち取れたことは、エポックメーキングな誇らしい出来事だったということについて、疑いを差し挟む余地はない。 〈秘書W〉

【秘書ログ】 TPP交渉を振り返る(1) ~ TPPの推移と真義 ~

2015年10月 9日 18:17

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が10月5日に大筋合意された。アトランタにおける最終的な交渉は、当初の2日間の日程が延長に次ぐ延長によって6日間に及んだ。10月8日の自民党本部における会合での甘利TPP担当大臣の言葉を借りれば「徹夜続きだった。ドリームチームで臨んだが、僅かな時間を休息に当てるために睡眠剤を飲んでも1時間で目が覚めてしまうような緊張感続きで、最終合意に至る確信を持てたのが共同会見前日の午前4時」という極限状態だったとのこと。そして、これに関連して、江藤拓議員(自民党TPP交渉における国益を守り抜く会会長)が交渉自体について「他国についていえば、ありとあらゆる手を使い騙してでも自分の国に有利な内容にしようという戦いであった」と述べたのは印象的で、世界における外交交渉がいかに過酷なものであったかを思い知らされた。
 さて、TPPの意義とは何か。今でこそ、オバマ米大統領が「世界経済のルールを中国のような国に書かせない」と述べるなど、一つの意図が見えてきているが、日本がTPP交渉に入ることの是非が問われた当時は、アメリカがそのルールを日本に押し付け、日本をアメリカの傀儡にしようとしているという「アメリカ悪玉論」が主流ではなかったか。
 この点、平議員は産経ニュース(http://www.sankei.com/politics/news/130812/plt1308120004-n1.html)で、TPPについて「国際的な自由貿易のルールづくりに日本が参加することに利益があること」「少子高齢化で減少する国内需要をカバーするために日本の成長戦略に欠かせないこと」「法体系が違う巨大国家・中国を含めた国際的なルールをつくる前段階として重要なこと」等を述べていたが、この類の正論はあまり取り上げられなかったように思われる。
 次期アメリカ大統領選挙での民主党の有力候補とされるクリントン前国務長官がTPPについて、推進の立場を翻して「現時点では支持できない」と表明するやいなや、「どっちに転んでも(TPPが進むにしても止まるにしても)日本には心配材料だと思うんです」と、とにかく混乱を望んでいるとしか思えないような発言をしたTVキャスターがいた。このような基本姿勢をマスコミがとり続ける限り、平議員らが明快に説明したとしても、国民の理解にはなかなか繋がらないのではないかと改めて思った。 〈秘書W〉

【秘書ログ】 岐路に立つイルカショー

2015年9月 3日 17:11

 「イルカがザブン 涼しい『贈り物』」との見出し記事。都内の水族館で「イルカの水しぶきを浴びる夏限定の『スプラッシュタイム』が人気を集めている。」とのことで、ある思惑もありこの水族館に出掛けることにした。
 30分前にイルカショーの会場に着くと、既に観客席は埋め尽くされ、立ち見の場所取りに戦いは移っていた。ショーの人気の高さに驚きながら、まずイルカの生態や能力を説明するパネルを読み、そして会場へ戻った。
 従業員による挨拶もそこそこにショーが始まる。ジャンプでフープをくぐり抜けたり、ボールを蹴ったり、手を振ったり、イルカが繰り出す技の数々に子供たちは目を輝かせ大きな歓声を上げる。観客全員が充実感に満たされていた。そして、従業員が来場への感謝を述べショーは終わった。だが、ショーの存続にかかわるイルカの入手問題が水族館のどこにも見当たらなかったため、私は腑に落ちないでいた。
 さかのぼること5月。自民党の捕鯨対策特別委員会等合同会議は緊迫した空気に包まれていた。それは、世界動物園水族館協会(WAZA)が和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み漁(漁船で音を立てながら湾内にイルカの群れを追い込む漁法)を非人道的だと問題視し、4月21日付けで日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止し、状況の改善がない場合は更に1か月後に除名すると通告したことが議題に上がっていたからだ。
 WAZAの会員資格がないと、希少動物の繁殖で海外から協力を得られなくなる懸念があることなどから、JAZAは投票によりWAZAに残ることを決め、追い込み漁で捕獲したイルカの調達を禁止することにした。これにより、イルカの入手を太地町に頼ってきたJAZA加盟の水族館の多く(前述の水族館も状況的に太地町から入手)は、今後高度な技術と資金を必要とする繁殖に頼らざるを得なくなり存続の危機にさらされる。あるいは、JAZAを脱退しイルカに特化した独自経営をしていくかだ。これらは、テレビや新聞でも大きく報じられた。
 しかし、状況がいまだ好転しない約2ヶ月半後の新聞記事は、ただイルカによるスプラッシュタイムを紹介するだけであった。また、水族館においても、イルカの入手問題、WAZAの会員資格について説明・啓発するパネルもアナウンスも一切なかった。自民党での会議がどこか遠い世界の出来事だったように思われた。
 反捕鯨家が制作した映画「ザ・コーヴ」は、イルカトレーナーが水族館用のイルカを捕獲した後、漁師がその他のイルカを食用にするため捕殺し、その結果、赤く染まった海の映像を流すことで世界の耳目を集めた。しかし、これにしても、イルカは、大きさにより区別されているだけで、クジラやシャチの仲間であり、イルカを食すことはクジラを食すのと同じく、日本の食文化の一部とも言える。そして、「WAZAの動きの背景には反捕鯨団体がある」との指摘もある。
 外国と文化の違いが出ることは避けられない。しかし、日本では、動物の能力に感動しその触れ合いに喜びを感じる人が大勢いるのだから、ある日突然「イルカショーができなくなりました」と貼り紙を出す事態を招かぬよう、ショーとともにイルカ入手のあり方を主体的に考える機会があってもいいのではないか、水族館をあとにして思いを巡らした。 〈秘書W〉


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